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コークス乾式消火設備(CDQ)

CDQは、コークス炉から出てくる赤熱コークスを搬送に適した温度まで冷却する設備であり、その際に赤熱コークスの顕熱を回収し、発電や蒸気に利用する省エネルギー設備です。

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2015年7月15日
ドイツMETEC(製鉄設備関係見本市)への出展

ソリューション

生産コスト削減

  • 30 %

    非微粘結炭

  • 95 %

    設備稼働率

  • 185 kWh/t-coke

    発電量

  1. 乾式消火(CDQ)は穏やかな消火方式なので、コークスの強度や整粒化が向上されるため、安価な非微粘結炭の混合比は、湿式消火(CWQ)で15%程度しか使用できませんでしたが、CDQでは30%程度にまで引き上げられ、コークス炉原料のコストが削減できます。
  2. 従来のCWQのコークス水分(2~5%)と比べ、CDQ方式では低水分コークス(0.1~0.3%)であるため、高炉に投入するコークス比を低減できます。
  3. 循環ガス中に空気を吹込むことにより、ガス中のカーボンと可燃成分を燃焼させ、循環ガス温度を昇温することができます。これにより、廃熱ボイラでの発生蒸気量を増加できます。
  4. ダブルフリュー技術、適切な耐火物の選定、信頼性の高い設備の組み合わせにより、95%と高い設備稼働率で操業できます。
  5. 操業条件、蒸気条件により変動しますが、蒸気発生量500~700kg/t-coke、発電量140~185kWh/t-cokeが得られます。
  6. これらの優れた特徴により、初期投資は3~5年以内で回収できます。

カスタマイズ

スチールプランテックのCDQは、新たに開発したコークスハンドリングシステム(*1)や、旋回バケット新トラバーサーシステム(*1)の適用により、従来のCDQ設備では設置が困難な狭い場所でも、お客様のニーズにお応えすることが可能となりました。

(*1:特許取得済み)

スチールプランテックは、お客様がかかえている以下のCDQの課題に対して提案・解決する技術と経験を有しています。

  1. 設置スペースが狭く、CDQの設置を諦めていた。
  2. CDQ稼働率を高くしたい。
  3. 安定したCDQ操業をしたい。
  4. 煉瓦寿命を長くしたい。
  5. 除塵器の衝突壁が脱落するトラブルを解決したい。
  6. ボイラや循環系の機器の寿命を長くしたい。

環境負荷軽減

  1. CDQは回収した熱を利用して蒸気や電力を生み出すため、全体的に化石燃料の使用量を抑えられ、地球温暖化の原因であるCO2の排出量を削減することができます。
  2. CDQは密閉構造の中で冷却をするため、CWQと比べると大気中へ飛散するダストの量を大幅に減らすことができます。

品質向上

CDQはコークスを穏やかに消火させるためコークスの強度を向上させ、コークス充填槽を通過する過程で整粒化が向上できます。これらの特性は、高炉内の溶銑と還元ガスの通気性を確保する上で高炉の安定操業に役立っています。

納入実績

since 1976 20

納入先 納入数 稼動年
  • アジア・オセアニア
  • 沙鋼宏昌鋼板 中国 140t/h×2基 2010
  • JFEスチール / 西日本製鉄所(福山) 日本 75t/h 2010
  • JFEスチール / 西日本製鉄所(倉敷) 日本 170t/h 2009
  • 太原鋼鉄 中国 150t/h×2基 2008
  • 沙鋼宏昌鋼板 中国 140t/h 2005
  • 沙鋼宏昌鋼板 中国 140t/h×2基 2004
  • JFEスチール / 西日本製鉄所(福山) 日本 200t/h 1990
  • JFEスチール / 西日本製鉄所(福山) 日本 130t/h 1986
  • JFEスチール / 西日本製鉄所(福山) 日本 185t/h 1979
  • JFEスチール / 東日本製鉄所(京浜) 日本 70t/h×3基 1979
  • JFEスチール / 東日本製鉄所(京浜) 日本 70t/h×5基 1976

技術情報

ダブルフリューによるコークス吹上現象の解決と循環ガス流量の増加

コークス吹上現象の問題を解決するためにスチールプランテックでは、フリューの流路を2段にした「ダブルフリュー」を開発しました。

  1. ダブルフリューでは、フリューを2段にすることでコークス吹上げが起こるガス流速をシングルフリューの1.4倍以上に増やすことができます。
  2. 従って、大型CDQにおいてもコークスの吹上げなく循環ガス量を1,400Nm3/t-coke以上にすることもできます。
  3. 逆に、シングルフリューと同じ流量の場合であれば、下流へのコークス吹飛びによる廃熱ボイラ、二次除塵器、ガス循環ブロワ等の摩耗を抑え、設備全体としての長寿命化の効果がもたらされます。更にダスト処理設備の負担を低減することができます。
  4. ダブルフリュー技術を適用することにより、操業の安定化、設備費低減、操業コストの低減ができます。

ロープトロリー式コークバケット巻上機

ロープトロリー式巻上機は、巻上ウインチを走行台車の上に載せるのではなく、地上に設置するため、炉頂(CDQ架構の高層部)を移動する機器の重量が約100t減少できます。
よって、以下のメリットが得られます。

  1. CDQ架構の建設コストが削減できます。
  2. 従来、クレーンガータ部に設置していた巻上ウインチのメンテナンススペースが削減できます。
  3. 巻上ウインチのメンテナンスは、従来の高所作業から、地上で安全にかつ容易にできます。
  4. 従来、巻上ウインチおよび電気機器は炉頂部の腐食雰囲気で使用していましたが、地上に設置することにより使用環境が改善され、巻上ウインチの寿命延長が可能となります。

CDQ動画