Steel Plantech RECRUIT 2022

RECRUIT 2022
エントリー
入社25年目
制御設計(プラントエンジニア)
工学部

CAREER 25年間の軌跡

4年〜6年目

初めての海外案件。
問われていたのは、粘り強さ。

プロジェクト開始から完了までの日数 730日

入社4年目。初めての海外案件で私が携わったのが、エジプトでの世界最大級の「電気炉」プロジェクトでした。

当時、エジプトでは経済発展とともに鉄鋼需要が増加していました。そのニーズに応えるため、電気炉を大型化し、生産量の拡大を図ろうと、このプロジェクトはスタートしました。

このプロジェクトで私が担当したのは電気炉および炉外精錬炉(LF)という設備の計算機システムです。プロジェクトを受注して、完工するまでの期間はトータルで約2年間。私は設計段階から参加し、実際に設備を稼働させる試運転のフェーズまでを一貫して手掛けました。

このプロジェクトでは現地での制御システム設計に関するやりとりは、全て私一人に任されていました。そのため、大勢のエジプト人のお客さまに囲まれながら、打ち合わせの中で噴出する課題や要望、質問に私一人で解決しなければいけませんでした。

当時の私は語学力にも自信がなかったため、スムーズな意思疎通を行えないもどかしさがありました。また、話し合いを重ねて機械の仕様や操作配列などの詳細を詰めても、しばらく経ってから認識のズレが判明し、話が振り出しに戻ってしまうこともありました。

何度も何度も諦めずにお客さまと向き合い、一つひとつお互いの不安や疑問点を潰していく。その地道で根気のいる作業を続けることで、意見を一つにまとめ上げ、誰もが納得できるシステムの構築につなげたのです。

6年〜8年目

手探りの毎日が、
面白くて仕方なかった。

ECOARCにより削減できる電力原単位 100kWh/t

入社6年目で経験したのは、当社が独自開発した「ECOARC」の初導入プロジェクトです。ECOARCとは、当社が開発した大幅な電力原単位の低減を可能にする環境対応型高効率アーク炉です。省エネルギー化の実現に加えて、金属材料を溶解する際の電圧フリッカーを大幅に抑制することができ、お客さまの「生産性の向上」「環境改善」「省エネルギー化」といった要望に応えられる画期的なものでした。この案件で私は電気量や温度などのデータを検知し、プロセスの自動化を実現するためのシステムの設計を担当しました。

この初号機の導入は当社としても失敗が許されない案件でした。初導入ということもあり、業界内でも注目され、この案件の成否が、今後のECOARCの受注数に大きな影響を与える可能性がありました。

世界初のECOARC導入プロジェクトだったので、前例が無く、何もかもが手探りの状態でした。どんな設計にするべきなのか、どのような操業手順が適切なのか。その最適解を全てゼロから自分で考える必要があったのです。

現場では数え切れない程やるべきことがありましたが、私はそれを苦痛には思いませんでした。社内外の仲間たちと「もっとこうしたら良くなるんじゃないか」と日夜話し合ったり、時には自ら作業員として工事をサポートしたり……。

ものづくりに携わっているという強い実感を得られる毎日が、面白くて仕方なかったのをよく覚えています。

10年目

SPCOならではの
エンジニアリング力を。

コークスの温度 1,000℃

入社10年目、私が担当したのはコークス乾式消火設備(CDQ)です。CDQとは、コークス炉から出てくる約1,000℃の赤熱コークスを不活性ガスで冷却し、熱エネルギーを回収し、その排熱を利用し蒸気を発生させ発電するなど、優れた環境性能も備えています。

このプロジェクトの中で、私は受配電から制御システム全般の設計および試運転を手掛けました。これまで私がメインで担当してきたのは計算機システムの設計でしたが、この仕事では初めて計装システムまで担当し、これまで触れてこなかった技術を学ぶことができました。

このプロジェクトでは、工期の大幅な遅れが生じてしまいました。何とか状況を打開するため、私は制御設計の責任者として現場に入り、自ら据付指導を行いました。プラントエンジニアの仕事というものは「設備を組み立てる」だけが全てではありません。

この仕事で大切なのは、お客さまに寄り添い、柔軟な発想で課題を解決していく力です。その時私たちがつくっていたCDQという設備にしても、それを取り扱うメーカーは数多く存在します。その中から当社に任せていただけるのは、困難な課題に直面しても「スチールプランテックに任せておけば解決してくれる」という信頼を頂いているからです。

その信頼に応えるため、さまざまな問題に柔軟に対応していくことが私たちの仕事には求められるのです。

25年目の現在これから

これまで25年以上、国内外でさまざまなプロジェクトに携わってきました。その経験から、この仕事で最も重要だと考えるのは新たな課題にぶつかった時にそれを乗り越える「突破力」です。

その理由は一度現場に出てみるとよくわかります。どれだけ設計段階から準備をしていても、現場では想定外のトラブルが起こることもあります。またプロジェクトを実施する国や地域が変われば、これまでの常識が一切通用しなくなる場合もあり、現地のお客さまや製作メーカー、作業スタッフとの話し合いも一筋縄ではいきません。

そんな時、どうすればよいのか。そこにマニュアルはありません。目の前にいる一人ひとりの仲間と向き合い、粘り強く試行錯誤を繰り返し、その仕事に関わる人、全ての心を一つにまとめていくことで、少しずつ、少しずつ壁を乗り越えるしかないのです。

マネジメントを任される立場となり、今私が育てたいと考えているのは、こうした「突破力」を備えたエンジニア集団です。そのためにも若手エンジニアには知識の引き出しを増やすことはもちろん、たくさんの現場を経験してもらいたいと思っています。そこには実際に目で見て、手で触れて確かめられる機械や設備があり、さらにプロジェクトに関わる大勢の人がいます。そこで得た知識や経験は、必ず今後のエンジニア人生の肥やしになると私は確信しています。