水素直接還元製鉄プロセス実現へ向け、東北大学と還元鉄( DRI )溶解方法に関する研究を開始

2024年5月28日

社名

 製鉄プラントエンジニアリングメーカーのスチールプランテック株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:若原 啓司)は、国立大学法人東北大学(本部:宮城県仙台市/総長:冨永 悌二)と、水素還元で製造された還元鉄(DRI)の溶解方法に関する共同研究を開始しました。

 グリーンイノベーション(GI)基金の活用事業の一つである水素直接還元製鉄では、水素だけで還元鉄を製造し、その後電気炉で溶解します。しかし、この還元鉄は炭素を含まず、既存のものとは性質が異なることから、溶解方法そのものを見直す必要があります。
 今回の研究はそのための最適な溶解方法を確立することが目的です。

 研究体制については、当社のカーボンニュートラルに関する技術開発を担う「CNプラント推進室」と、東北大学大学院の村上太一教授(環境科学研究科先端環境創成学専攻)の共同で進めるもので、2024年度に基礎検討を開始し、2025年度中に基礎研究の完了を目指します。

 当社は、2021年より「Green & Smart」(Green=脱炭素を推進するための技術革新・Smart=最新技術を駆使した製品のスマート化)を掲げ、最新テクノロジーを織り込んだ商品やサービスを開発しております。特に電気炉については世界で80基を超える納入実績を誇り、世界最高峰の電力原単位削減能力を誇る「ECOARC™シリーズ」、(株)TMEICと共同開発した新電源システム「CleanArc™」など多くの製品バリエーションと知見を有しています。

 東北大学は、製鉄研究の歴史、規模などは世界でも有数の研究機関であり、鉄鋼各社との共同研究が多数実施されています。さらに、村上教授は、従来高炉からシャフト炉、流動層など様々なプロセスにおける還元現象を解析する様々な研究設備を所有し、多数の研究実績を誇るだけでなく、昨今の鉄鉱石資源の変遷にも詳しく今後の水素還元研究のキーパーソンの一人です。また、鉄の浸炭溶融に関して25年の研究経験を有しています。

 2050年のカーボンニュートラル達成に向け、両者それぞれの強みを活かした産学連携活動を通じ、地球にやさしい製鉄プロセスの実現を目指します。

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