ROOKIE

人に助けられ、
やがて誰かの助けになる。

入社1年目は先輩について、基本〜詳細設計・出荷前検査・試運転といった仕事の流れを学びましたが、苦い経験もありました。カメラを使った機器設置の際、熱でカメラが壊れたり、振動で映像が不鮮明になるなど多くの問題が発⽣したのです。もちろん事前準備を行って進めてはいたものの、それ以上に徹底した現地調査や品質管理の重要性を痛感しました。

翌年はその経験を糧に、国内電炉メーカーで条鋼圧延ラインの付帯設備の改造案件に従事。上司や先輩と相談しながらも、基本設計・ソフトウェア作成・現地試運転まで一貫して担当することができました。納入設備のホットランの際、お客さまから「今まで⾒たことがないぐらい良い加⼯ができるようになった」とお褒めの⾔葉をいただき、⾮常に嬉しかったです。

この年は、作業も、そして責任という意味でも多くを引き受けることになりました。学生時代の専攻でいえば自分のバックグラウンドは機械系ですが、この仕事は制御系で全く異なる分野。初めての経験が多く、やはり不安や迷いはありました。ただ、上司がずっと手厚くマンツーマンで指導をしてくれたため、やり遂げることができたのです。社員同士が助け合う、そんな行動原理が自然と根付いている会社なのだと感じています。

画像:わずかなミスが数億もの損失にもつながる。

TURNING POINT

国を越え、
自分の壁を越えたアドバイス。

自分を大きく変えたのが台湾メーカーのプロジェクトです。当時、設備自体の調整不足、コロナ禍によるSV(※)人材の調整難などで試運転の工程管理が難航していました。しかし最大の理由は、自分の実力と経験の不足でした。自他のタスクを上手に回すことができず、結果としてお客さまとベンダーに不安を与えてしまった。そのことで、自らに焦りと苛立ちを感じていました。

そんな中、他国の現場にいる上司から着信がありました。第一声は「大丈夫?」。よほど心配をかけてしまったのだと思います。そこからは色々相談を持ちかけ、円滑な方法を一緒に模索するうちに、最終的には自らが主導して現場を指揮できるようになっていました。

いま振り返ると、この経験が自分の成長につながったと感じています。試運転リーダーとしてお客さま、ベンダーをまとめる必要性を実感し、要領の策定や⼯程を明確化するなどの知見を深められた本当に貴重な時間でした。それからは些細なことでも常に事前計画を行い、確認項⽬を明確化するなどの準備を怠らずに「全てがスムーズに進む」よう努めています。

※SV=スーパーバイザーの略。現場指導員のこと。

画像:経済を止めない、これは意地だ。

VISION

「電気」と「機械」の
掛け算を強みに。

製鉄プラントという仕事のスケールの大きさは、サイズもさることながら裾野の広さに本当の価値があると考えています。どこにでも使われていて、あらゆる産業の基盤となっている。だからこそ製鉄に携わることで、全てのものづくりを支える一助になりたいと強く思います。設備自体の理解に加え、プラント建設に関わる電気・制御の広範囲にわたる知識が求められるでしょう。

そのために電気や機械といった分野や職種の垣根を飛び越え、双⽅を理解し設計できるエンジニアになることが現在の目標です。身近ですが、私の上司がまさしくこれにあたります。電気のフィールドにいながら機械の図面が読めて「ここが違うよね。だから、こうした方がいい」とフィードバックできる……、そういうエンジニアになりたいですね。

今はまだその域に達していませんが、大学自体に専攻していた機械の知識をアドバンテージとし、「やればできる」マインドで技術をこれからも突き詰めていきたいと考えています。

WORKS

画像:国内新連鋳プロジェクト
台湾でのファーストコイル(初めての製造品)達成時の記念撮影。私がどこにいるか、わかりますか?
画像:連続鋳造機
台湾、高雄市内の高台から。経済成長率の高さに後押しされて高層ビルも増えています。

PERSON