ROOKIE

わずかなミスが数億もの
損失にもつながる。

入社して2年が経った頃。まだまだ新人だった私は、現場で30名ほどの工場技術者たちに「どうなってるんだ」と取り囲まれていました。生産能力を高めるために大型化した連続鋳造機の制御機器更新プロジェクト。現地の工場に一人で向かい、試運転に立ち会った際のことでした。

その問題はプラントを動かすとすぐに起こりました。機械が予測していた値よりも、大幅に振動してしまったのです。試運転は工場の生産ラインを一度止めて行います。このままではラインが再開できない。責任者はどこにいる。原因を調査してくれ。現場にはそんな言葉が飛び交い、私はお客様や工事技術者たちにその対策を求められました。

今思えば当然のことです。大きな工場であれば、操業が1時間止まってしまうだけで、数億円の損失が生まれます。まだ経験が少なかった私は、どう対応したらいいかわからずあたふた。結局、上司に現場に来てもらい、ともに原因調査を行いました。すると、全体のパワーを下げることで振動も抑えられることが分かり、なんとか解決することができたのです。機械を動かす制御の仕事で不具合が出れば、工場全体が動かなくなる。私はその時、自分の仕事の影響力の強さを、改めて実感しました。

画像:わずかなミスが数億もの損失にもつながる。

TURNING POINT

経済を止めない、
これは意地だ。

今まで携わった仕事の中で、最も大変で、最も忘れられないプロジェクトがあります。それは入社4年目に携わった、ある国内大型工場における連続鋳造機の長寿命化を目的としたプロジェクト。それまでも一人で仕事を任されることはありましたが、大きなプロジェクトでメイン担当を任されるのは、この仕事が初めてでした。

そのプロジェクトでは、さまざまな事情が積み重なり、本来14日間は必要な試運転調整を3日で済ませなければいけないという課題がありました。現場の技術者にも「無理ですよ」「リスクが大きすぎるんじゃないですか」と言われていました。それでも、なんとかやらなければならない。私は、事前準備を徹底することにしました。試運転の際、削れる工程はないか。ここの確認は本当に必要か。可能な限り現場での作業を減らし、技術者の方々にも事前に話を通しておきました。

そして、ついに試運転作業がスタート。当社と工場側の人員総出で取り組みました。作業が始まるまでは難色を示していた人たちも、冷静に、丁寧に、必死に作業に向かってくれたのです。おかげさまで、結果としては3日で試運転をやり切ることができました。どれだけ難しい状況でも、日本経済を止めてはならない。鉄鋼マンの意地を感じたプロジェクトでした。

画像:経済を止めない、これは意地だ。

VISION

国を支える黒子として。

制御設計という仕事は、時代とともに進化していく仕事です。コンピュータ技術が進歩することによって、データ処理はより複雑になります。データ処理の複雑化に伴って、10年前は数百パターンしかなかった機械の動かし方も、今では数万パターンまで増えています。

数万ものパターンから、プラント設備に合わせて最も磨耗しない動きや、最も寿命を長くする動きを選び設計する。さまざまな可能性を検証し、最適な方法を選ぶという高度な設計が現代の制御設計には求められています。それは同時に、プラント設備の長寿命化において、制御設計の役割が大きくなっているともいえます。

プラント設備を動かすということは、大きな視点で見ると国の経済を動かすということ。この仕事は日本や海外、世界中の経済を支える黒子のような仕事です。決して目立つことはありませんが、経済にとって必要不可欠な仕事だと誇りを持って、これからも制御設計の技術を突き詰めていきたいと考えています。

WORKS

画像:国内新連鋳プロジェクト
国内新連鋳プロジェクト
画像:連続鋳造機

世界最大規模の連続鋳造機をつくるプロジェクトに制御設計担当として携わっています。
※画像は別プロジェクトの連続鋳造機

PERSON