ROOKIE

血が通ったコミュニケーションの
必要性を痛感。

入社1年目は他の先輩が担当する設備の図面や、物の動きを表す資料を読み、情報を整理するトレーニングから入りました。次第に図面が読めるようになるとケーブルなどがどう使用され、どのように取り付けられているか、理解が深まります。それと並行して使用品の⼿配を担当し、機能のデザインを考えることで、自分が案件に関与できる範囲を能動的に広げていきました。

そんな中、英語を用いたコミュニケーションは最初の課題であり、壁でもありました。思い出すのは、海外の転炉案件に関わった際、資料の読み込みに苦労したことです。当時は転炉に関する十分な知識もない状態で、それでもまず現地の元資料を理解しなくてはならず、英文の精読に悪戦苦闘した覚えがあります。

対面のやり取りで言えば、先輩社員と海外のお客さまとの打ち合わせには学びが多くありました。同席すると、簡単な英語でとても分かりやすく伝えている。中学英語ぐらいのレベルで、かつスルッと理解できるから不思議です。対話特化型の英語とでも言うのでしょうか。外国語であっても根本は国語力だと思いますので、読書は欠かさないようにし、そういった文法・単語を選ぶスキルやセンスを踏襲できるよう挑戦しているところです。やはりコミュニケーションはビジネスの一つの軸なので、もっと磨いていかなくてはいけないと考えています。

画像:試行錯誤の先で得た知識と技術。

TURNING POINT

鉄は、人が、
人の手でつくっているんだ。

自分が参加した中で、最も印象に残るプロジェクト。それは10年目に携わった、とある国内案件でした。受注後の仕様変更等の対応に時間を割かれる最中、ベンダー(制作委託先)担当者から突然「もう間に合わない」と通告を受けたのです。最初に聞いたときは予測しない出来事に頭が真っ白になり、体はいつの間にか冷や汗をかいていました。

ただ、いつまでも抜け殻のようになってはいられません。そこからは部のメンバー、調達部に助けられつつ、とにかくあらゆる方面に声をかけました。最終的には、上司がコンタクトを取ってくれた他のベンダーの協力で、何とか間に合わせることができたのです。途中からの参加でますます時間がないため、いつも以上にベンダーの事務所へ出向き、コミュニケーションを密にしたことが功を奏しました。そして何より、優秀なスタッフがとても頑張ってくれたおかげです。とはいえ、その後も試運転と工事を同時に行う厳しいスケジュールが続きました。事故回避のため、その2つの作業をエリアや時間をうまく分けてやらなければいけない。神経を使う舵取りでした。

工程もようやくひと息ついたとき、一番苦労を分かち合ったベンダーの担当者から「また一緒にやりたいですね」と言ってもらえたことが心に残っています。こんなに熱い言葉をかけてもらえたのは、本当に得難い経験でした。鉄鋼はスケールの大きなものづくりではありますが、人が、人の手で生み出すものであること。それを再認識できたプロジェクトでした。

画像:大規模設備の試運転を乗り越えて。

VISION

いつまでも、
新人の貪欲さで。

制御設計という職種は、経験をいくら重ねても分からないことが増えていく。逆に「自分が理解できている範囲は、まだこれだけなのか」と、いつも驚かされます。たとえあと何年経っても、自分が満足行く理想の状態には到達しないのでは、と思うこともあります。それほど設計の仕事は、突き詰める深さといいますか、底の見えない仕事です。入社16年目になりますが、その点で言うと自分はまだ新入社員の域だと感じています。

諸先輩の仕事ぶりや、ベンダー担当者からの指摘で、彼らの知識と経験に驚かされることもあります。“電気系”とひと括りにしても分野の範囲が広いですし、求められる知識も膨大です。機械系の領域も含め、我々は浅くでも広くでも少しずつ理解していないといけない。つまり「こんな決まりやルールがある」ことは知っておく必要があるので、その点ではまだまだです。

あとは、現在の仕事にのめり込みすぎると新しい技術・情報・知識をキャッチアップする意識がおろそかになりがちなので、今後の課題にしたいと思います。やっぱり自分を新人だと思うぐらいの心構えと覚悟で、諦めずに基礎から知識をどんどん注ぎ足して、この道を進んで行きたいと思います。

WORKS

画像:WORK 01
入社間もない頃に関わった海外転炉案件
画像:WORK 02
稼働に向け開発が進む「ECOARC-FIT™」の3D図

PERSON