スマートプロダクツ「Sシリーズ」のラインナップ拡充 測温サンプリングロボットが稼働 国産汎用ロボットでは国内初、共英製鋼枚方事業所向け
製鉄プラントエンジニアリングメーカーのスチールプランテック株式会社<本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:灘 信之>は、共英製鋼枚方事業所向けにスマートプロダクツ「Sシリーズ」の測温サンプリングロボット「Spco-ROBO KNIGHT」(読み方は「エスロボナイト」)を本年8月に納品し、全自動運転で順調に稼働を続けています。
本製品は、働き方改革の一環として作業環境と安全性の向上のため、炉前作業の自動化を推進する同社より昨年8月に受注したもので、国産の汎用ロボットを利用した測温サンプリングロボットとしては国内初稼働(※1)となります。ロボットの動作が中世の騎士を彷彿とさせることから「KNIGHT」と命名しました。
これまで手作業で行ってきた炉前での「温度測定」、「酸素濃度測定」、「サンプリング」の3つの作業をロボット操作で完了し、毎回必要なプローブ(先端部分)も自動交換が可能です。ロボット本体は当社の出資会社である川崎重工製を使用し、その他のパーツも含め、すべて日本製で製作しているためアフターメンテナンスサービスを当社が一元管理できることもメリットです。
「Sシリーズ」は“AIやIoT技術を活用し既存商品の「モノ」と「サービス」の付加価値を高めること”をコンセプトとして開発を進めているスマートプロダクツの総称で、2020年12月現在、「Spco-ROBO KNIGHT」の他、「Spco-FEED」、「Spco-LENGTH」、「Spco-HOTSPOT」、「Spco-MOLD VIEW」、「Spco-CLOUD」、「Spco-COUNT」などを市場投入しています。
スチールプランテックは「スマートプランテック」へ。当社では今後も、電気炉、連続鋳造、条鋼圧延の分野を中心に、お客様のニーズに応じて「ロボットを活用した工場の安全・省力化」、「画像応用・AI/ビッグデータ解析による操業改善や品質向上」、「プロセス分析に基づく操業支援サービス」などの開発を進め、プラント毎に設置していた操作室の中央集約化、遠隔操業など更なるスマート化、その先のワンマンオペレーションを目指し、「Sシリーズ」のラインナップ強化に取り組みます。
(※1)製鋼用アーク炉内の溶鋼が対象で国産の汎用ロボットを利用した測温サンプリングロボット、当社調べ
◎スマートプロダクツ Sシリーズ ラインナップ(2020年12月現在)
カテゴリー 商品名 用途
電気炉 Spco-ROBO KNIGHT 測温、サンプリング採取ロボット
Spco-HOTSPOT 炉内ホットスポットコントロール
Spco-EcoLaserNavi レーザ式排ガス分析装置
Spco-FEED/MELT シャフト内スクラップ追装 / 溶落判定
連続鋳造 Spco-LADLE ROBO レードル回り作業ロボット
Spco-MOLD VIEW 注湯流・湯面レベル測定システム
圧延 Spco-SAMPLER サンプリング採取ロボット
Spco-COUNT 短尺検知システム
Spco-BRAKE/LENGTH ランイン材料の監視及び停止制御
その他 Spco-CLOUD 遠隔データ収集システム
◎「Spco-ROBO KNIGHT」解説
本システムは垂直多関節6軸ロボットを用いた電気炉測温サンプリングシステムです。操作指令に基づき、「温度測定」、「酸素濃度測定」、「サンプリング」の3種類のプローブから1つを装着し、炉内溶鋼へのプローブを挿入した後、使用済みプローブの抜去を自動で行います。炉内溶鋼への挿入動作開始時の炉体傾動角度に応じて、プローブ挿入軌道の調整を自動で行います。
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