大阪製鐵大阪事業所 堺工場向け 環境対応型高効率アーク炉「ECOARC-light™」を受注

2024年1月26日

ECOARC-light™3D図HP

 製鉄プラントエンジニアリングメーカーのスチールプランテック株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:若原 啓司)は、大阪製鐵株式会社の大阪事業所堺工場向けの環境対応型高効率アーク炉「ECOARC-light™」を受注しました。2025年度下期の稼働を予定しています。

 「ECOARC-light™」は電気炉の大幅な電力原単位削減を実現する「ECOARC™シリーズ」(※1)の一つで、既設炉の改造を前提に開発されたものです。工場内の既存設備を極力活用することで、初期投資コストの抑制、工期の短縮を図りつつ、電力原単位で1トン当たり80kWhの削減(当社従来型電炉比)が可能です。
 また、原料については安価なスクラップにも対応できるようになるため、コスト低減効果も見込めます。

 本機は「ECOARC-light™」としては2基目の受注となります。納入にあたっては、1基目(他社納入済)の「ECOARC-light™」からの大幅な容量拡大に伴い、これまでの知見を基にシャフト形状を見直し、スクラップ予熱効果の向上を図ります。

 この他付帯設備として、スマートプロダクツSシリーズ(※2)のラインアップの中から、溶鋼サンプリング・温度測定ロボット「Spco-ROBO KNIGHT(エスロボナイト)」、酸素・カーボン吹込み制御等の操業フィードバックや炉内の水漏れを検知するレーザー式排ガス分析装置「Spco-EcoLaserNavi(エスエコレーザーナビ)」、出鋼口の自動砂詰装置「Spco-SAND(エスサンド)」を搭載し、操業の効率化を図ります。

 省エネルギー性向上による環境負荷低減効果が得られる「ECOARC-light™」と、大幅な省人化、省力化を実現する「スマートプロダクツ」。両者を組み合わせることで、諸費用低減によるコスト競争力の強化というメリットに加え、脱炭素推進、働き方改革などのサスティナビリティ課題の解決にも寄与できる電気炉設備となります。

 当社は「Green & Smart」(Green=脱炭素を推進するための技術革新・Smart=最新技術を駆使した製品のスマート化)を掲げ、最新テクノロジーを織り込んだ商品やサービスを開発することで、これからも人と環境を大切にする技術を提供し続けます。

(※1)ECOARC™シリーズ
 ECOARC™シリーズは従来型電気炉と比べ大幅な電力原単位の削減を実現する環境対応型高効率アーク炉で、建屋の制約に応じて「ECOARC™」、「ECOARC-light™」、「ECOARC-FIT™」の3タイプがラインアップされています。
 ECOARC™シリーズの最大の特徴は、鉄スクラップを溶かす過程で発生する排ガスの熱エネルギーを再利用し、鉄スクラップを高温で予熱することです。少ないエネルギーで溶鋼を生産することができるため、使用電力量やCO₂排出の抑制につながるだけではなく、騒音の減少、排ガス処理設備による白煙の解消など環境負荷へも対応しています。
 こうした点が評価され、資源エネルギー庁の先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金『(A)先進事業』先進設備・システムに採択されました。
 2024年1月現在、シリーズ全体で11基(国内7基・海外4基)を受注し8基が稼働しています。
ECOARC™シリーズHP2

(※2)スマートプロダクツSシリーズ
 お客さまのニーズに応じて「ロボットを活用した工場の安全・省力化」、「画像応用・AI/ビッグデータ解析による操業改善や品質向上」、「プロセス分析に基づく操業支援サービス」などの分野で開発を進めている商品群です。プラント毎に設置していた操作室の集約化、遠隔操業など更なるスマート化、その先のワンマンオペレーションを目指しています。

 

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スチールプランテックが独自に開発した「ECOARC™」は、革新的な技術を随所に採用した環境対応型高効率アーク炉です。金属材料を溶解する際に発生する白煙や悪臭を解消する高度なスクラップ予熱技術を備えるなど、将来的な環境負荷にも対応しています。さらに、従来の電気炉よりも高い生産性を実現する溶解技術も備えています。

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