大容量電力の不安を一気に解決!電気炉向け新電源システム「CleanArc」 10月より販促活動開始

2023年10月4日

新電源システム「CleanArc」概要図HP

 スチールプランテック株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:若原 啓司)と東芝三菱電機産業システム株式会社(以下TMEIC)(本社:東京都中央区/社長:川口 章)は、電気炉製鋼設備の電源系統安定化と生産性向上に寄与する電気炉向け新電源システム「CleanArc(クリーンアーク)」の販売促進活動を2023年10月より開始します。

 2050年のカーボンニュートラル実現に向け、電炉法への期待が高まっておりますが、操業には大容量電力が必要となり、電力会社の電源系統に影響を及ぼすフリッカと高調波の低減に向けた対策も不可欠です。

 新電源システム「CleanArc」はこうした不安を一気に解決します。

 IEGT素子(※)を適用した、TMEIC独自のインバータにより、投入電力の安定化を図ると同時に、直流電源部(コンバータ部)にもIEGTを採用しました。その結果、フリッカ、高調波の発生はほとんどなく、これらを抑制するための大型電源設備も不要です。また、高速な定電流制御でアークが安定することで、アーク切れ抑止効果もあり、生産性の向上にも寄与します。

 更に、スチールプランテック独自の「溶解制御装置(AutoArc)」内にあるスマートホットスポット制御による均等溶解促進機能、スクラップの嵩計測による追装判定最適化機能を組み合わせることも可能です。「CleanArc」導入により、電力原単位で約10%、電極原単位で5~10%の改善を図ることができます。(数値はいずれもスチールプランテック社従来比)。

 この画期的なシステムは、炉容量を問わず全てのAC(交流)電気炉に対応します。新電源装置の設置場所も制約がなく、操業を続けながらの事前工事が可能で、休止期間も最短に抑えることができます。また、電源系統への影響も限りなく低減できることから、今後増加が見込める再生可能エネルギーの利用も検討できます。

 今後、DC(直流)炉用電源の開発にも取り組み、すべての電炉ユーザーのカーボンニュートラル実現に貢献していきます。

(※)IEGT素子:高電圧、大電流を制御できるパワーデバイス。IEGTはInjection Enhanced Gate Transistor(電子注入促進型絶縁ゲートトランジスター)の略です。

共同開発発表時の内容については2022年12月5日のリリース(https://steelplantech.com/ja/news/6406/)をご参照ください。

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