電気炉製鋼の生産性向上と系統安定化に寄与する電気炉電源システムの共同開発開始

2022年12月5日

社名

 スチールプランテック株式会社(以下、SPCO)(社長、灘 信之)と東芝三菱電機産業システム株式会社(以下、TMEIC)(社長、川口 章)は電気炉製鋼の生産性向上と系統安定化に寄与する電気炉電源システムを共同開発する契約を締結し開発に着手しました。
 共同開発する新電源システムは、2023年度末より順次製品化を予定しています。

 我が国における、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、鉄鋼業界ではCO2排出量が比較的少ない電気炉鋼への期待が高まっています。また、高炉-転炉法の代替となり得る大容量電気炉の開発も急がれております。

 しかし、大容量負荷となる電気炉は電力系統に大きな影響を与えるため、今後、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの増加に伴い、大きな負荷変動による電圧フリッカや高調波の発生を抑制することがより重要となります。

 こうした課題に対し、電気炉とパワーエレクトロニクスの分野でそれぞれ高度な知見・技術をもつSPCOとTMEICの両社は、電気炉の大容量化及びフリッカや高調波の改善を目指し、生産性向上と電力系統安定化に寄与する電気炉電源システムの開発をスタートしました。
 開発にあたってはAC(交流)電気炉、DC(直流)電気炉の両タイプに対応できるよう予定しています。

~スチールプランテック株式会社~
 省エネルギーを実現し、かつ電力系統に優しい環境対応型高効率アーク炉ECOARC™シリーズをはじめ、これまで世界で150基以上の電気炉を納入し、国内電気炉メーカ-への納入シェアは50%を超えています。
 2030年へ向け「Green&Smart」(Green=脱炭素を推進するための技術革新・Smart=最新技術を駆使した製品のスマート化)を掲げ、最新テクノロジーを織り込んだ商品やサービスの開発、提供をすることで、人と社会と環境を大切にする技術を提供し続けます。

~東芝三菱電機産業システム株式会社~
 優れたパワーエレクトロニクス技術を持ち、電気炉用電気設備においては炉用変圧器、フリッカ抑制装置、整流装置といった多様な製品ラインアップを有し、同市場で国内トップクラスのシェアを誇る電機メーカ-です。
 「We drive industry」を掲げ、最先端のパワーエレクトロニクス機器、回転機、オートメーションシステム等、環境負荷低減と持続的成長を両立させる製品・サービスの提供を通じて、お客様のカーボンニュートラル実現に貢献します。

 

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電気炉

電気炉製鋼設備は、スチールプランテックがJFEエンジニアリング(旧NKK)より継承した、主力商品の1つです。
製鉄メーカすなわちユーザとしての豊富な経験と、1968年より続く電気炉製鋼工場の設計・エンジニアリングの経験より培われた技術力が、電気炉及びその付帯設備のみならず広範に及ぶ冶金・操業技術の提供までも可能としています。

環境対応型高効率
アーク炉(ECOARC™)

スチールプランテックが独自に開発した「ECOARC™」は、革新的な技術を随所に採用した環境対応型高効率アーク炉です。金属材料を溶解する際に発生する白煙や悪臭を解消する高度なスクラップ予熱技術を備えるなど、将来的な環境負荷にも対応しています。さらに、従来の電気炉よりも高い生産性を実現する溶解技術も備えています。

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