ウジミナス イパチンガ製鉄所向け OG設備改造工事がホットラン

2023年10月16日

冷却器HP

 製鉄プラントエンジニアリングメーカーのスチールプランテック株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:若原 啓司)は、ブラジルの高炉メーカー、ウジミナスのイパチンガ製鉄所向けOG設備改造工事(※)でホットランを完了しました(2023年7月に1基、9月に1基)。

 本工事は同製鉄所の第2製鋼工場にあるOG設備の冷却器改造、および集塵器改造です。
 既存納入設備への高い評価もあり、2021年2月に受注しました。

 冷却器(上ビジュアル)については、最新技術を導入しました。冷却システムの密閉化で転炉操業の安定化を図るとともに、スカートとフードを一体化したことでメンテナンス性も向上させました。
 集塵器については、2次集塵器(RSE)と誘引送風機(IDF)を更新することで、周辺環境規制への対応を強化しました。

 工事にあたっては、遠隔地であることに加え新型コロナウイルスの影響で現地への渡航も制限される中、 3DCADを駆使した設計と、リモートでのエンジニアリングを重ね、製作納期を遵守しました。
 最終的にはOG設備全体の制御部分に関わる調整も実施し、設備の円滑な稼働に貢献しています。

 当社のOG設備は世界に193基(国内86基・海外107基)の納入実績(2023年10月時点)があり、国内で稼働している設備のシェアは100%ですが、それらの多くは50年以上が経過し、老朽化が進んでいます。
 一方で、さらに高まる脱炭素化への流れに対応するため、転炉操業の安定化は引き続き重要な課題です。当社は今後も時代のニーズに即した改造・更新を進めることで、地球温暖化ガスの削減、および周辺環境の浄化に積極的に取り組んでいく所存です。

改造後の煙突出口ガス。放出ガスが澄んでおり、OG集塵性能が向上している(写真の背景の白色部分は雲)

改造後の煙突出口ガス。放出ガスが澄んでおり、OG集塵性能が向上している(写真の背景の白色部分は雲)

(※)~OG設備~(OG=Oxygen converter Gas cleaning and recovery system)
転炉操業で排出される一酸化炭素を、できるだけ燃焼させずに(二酸化炭素になる前に)回収する設備です。冷却、除塵処理された高濃度(70~80%)のCOガスは、ガスホルダーへ蓄えられ燃料などに有効利用されます。

関連製品

OG設備

OG設備(Oxygen Converter Gas recovery System)は、部分燃焼型の転炉排ガス処理設備で、新日本製鐵(株)と当社(川崎重工業→SPCO)が共同で開発した純国産の製品です。
OGの国内シェアは100%、海外でも100基以上の納入実績があります。
OGは製鉄所内転炉直上に設置され、転炉排ガス(COガス)を出来るだけ燃焼させずに冷却、集塵、回収する設備です。 近年の省エネルギーと環境規制のニーズに対し最適なソリューションを提供することができる商品です。

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